第5章:総まとめ——“2年連続プレジデント”としての視点から見えてきたこと
ここまで、壁紙の方向性、カーテンの柄、光の使い方、家具配置など、
アパホテルの客室に見られるさまざまな工夫を考察してきました。
私はアパホテルの会員ランクで 2年連続プレジデント を達成しており、
年間を通して多くの館に宿泊する中で、
こうした小さな“違い”に気づく機会が自然と増えていったように思います。
その経験を踏まえてあらためて振り返ると、
アパの客室は単に“コンパクトで便利”というだけではなく、
「どうすれば狭く感じないか」「どうすれば落ち着くか」
という視点で細かく設計されているように見えてきます。
もちろん、実際にどこまで意図されているかは
外から見ただけでは分からない部分もあります。
ただ、何十回も泊まりながら客室を観察していると、
いくつかの“共通した傾向”が浮かび上がってくるように感じました。
① 小さな仕掛けの積み重ねが“体感の広さ”を生む?
第1章から第4章まで見てきたように、
アパの客室では以下のような工夫が重なっているように思えます。
- 四方向の壁を変えて“箱感”を薄める
- 縦柄・横柄を組み合わせて高さと広がりを演出する
- 光を壁に広げて影を減らし、奥行きを生む
- コンパクトな家具で動線を確保し、視界を遮らない
どれも単体で見れば小さな要素ですが、
これらがひとつの部屋に同時に組み合わさることで、
“数字以上の広さ”を感じる空間ができているのではないでしょうか。
② デザインの統一感が「落ち着き」を生んでいる?
アパの客室は、館ごとに個性はありながら、
共通するテイストや方向性があります。
- 幾何学模様の使い方
- 黒・金・ベージュのバランス
- 横柄カーテンの“一本化”
- 心地よい間接照明
これらが統一されていることで、
“アパらしい落ち着き”が生まれているのかもしれません。
実際、ふとした瞬間に
「今日のアパ、なんか落ち着くな」と思うときがあり、
その理由をあとから考えてみると
“視覚の情報が整っているから”ということが多いように感じます。
③ “快適さ”は設備だけでなく“見え方”でも作れる?
アパホテルというと、
大浴場やアメニティ、アプリ機能など、
設備面で注目されがちですが、
実は客室の“見え方”にも相当こだわっているように感じます。
- どう見えるか
- どこが強調されるか
- どの方向に視線が抜けるか
- 光と柄がどう重なるか
こうした“見え方の設計”が、
コンパクトな客室の短所を補っているように思えます。
◆ 第5章のまとめ(問いかけ)
アパホテルの客室は、
ただ泊まるための空間というより、
限られたスペースの中で最大限快適に過ごせるよう、
細やかに工夫された“デザインの集合体”なのかもしれません。
あなたが次にアパへ泊まるとき、
ぜひ少しだけ意識を向けてみてください。
どの壁に目が引かれるでしょうか?
どの光が一番落ち着くでしょうか?
どの家具の配置が一番動きやすく感じるでしょうか?
その答えが、
あなた自身の“アパ体験の核心”に近づくヒントになるかもしれません。

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