1.“安心”という成果物
東横INNが提供しているのは、サービスでも体験でもなく、結果としての安心だ。
特別な感動はないが、滞在が終わるたびに「何も問題がなかった」と思える。
それは偶然ではなく、統一された仕組みの積み重ねによって成立している。
全国どこでも同じ鍵の形、同じチェックイン時間、同じ照明の明るさ。
その一貫性が、出張のリズムを崩さない。
2.利用者のリズムに合わせた構造
出張者の多くは、仕事を終えた夜に「何も考えずに休みたい」と思っている。
東横INNはそのニーズを正確に満たす。
手続きの早さ、部屋の構造、朝食の時間。
どれもが**「予測できる安心感」**を与える。
一方で、特別なサービスを求める人には向かない。
だが“仕事で泊まる”という目的に限れば、
最もロスが少なく、集中を維持できるホテルである。
3.ブランドとしての独自性
アパホテルがブランド演出で魅せ、
スーパーホテルが健康志向で差別化を図るなか、
東横INNは“規律そのもの”をブランドにしている。
整然とした運営と、全国に広がる均質な店舗網。
派手さはないが、企業としての信頼度では群を抜いている。
“真面目さを貫く”という姿勢が、出張者の信頼を支えている。
4.筆者の結論
東横INNは、仕事の延長線上にあるホテルだ。
泊まることが目的ではなく、翌日の行動を整えるための一晩。
その意味で、最も実務的で、最も誠実なホテルチェーンだと思う。
出張が続くほど、「驚かないこと」「迷わないこと」「同じであること」が価値になる。
その価値を、どこまでも正確に形にしたのが東横INNだ。

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