1.「使う」ではなく「味わう」ための備え
リゾート型アパホテルのアメニティは、単なる消耗品ではなく、
滞在の一部として設計された道具です。
歯ブラシやシャンプーといった基本セットも、通常型より質感が一段上。
パッケージのデザインや配置にまで統一感があり、
開けた瞬間から“ホテルの空気”を感じさせます。
出張でよく使う通常型では「足りている」がゴールですが、
リゾート型では「少しうれしい」がゴール。
同じブランドでも、その一歩の差が滞在全体の印象を変えます。
2.バスルームにある“もう一泊したくなる理由”
リゾート型では、バスルームが特にこだわられています。
広めの浴槽、柔らかい照明、鏡の曇り止めまで徹底。
一部の施設では、客室内でも温泉水を使えるようになっています。
バスアメニティにはPOLAや資生堂など国内ブランドが採用され、
香りや泡立ちも上質。
これが「ホテルの風呂ではなく、リゾートの入浴」という体験を支えています。
居抜き型や通常型では、こうしたアメニティが標準化されていないこともあり、
バスルームの時間が「休息」ではなく「作業」に近くなりがち。
リゾート型では、その差が顕著です。
3.寝具とパジャマ ― 眠りの設計
リゾート型の寝具は、アパホテル共通の「Cloud Fit(クラウドフィット)」ベッドを軸に、
より厚みのあるマットレスと大型ピローが組み合わされています。
パジャマは上下セパレート型が主流で、肌触りも軽やか。
都市型の“効率的な眠り”に対して、リゾート型は“休暇の眠り”を設計しています。
夜に窓際の照明を落とし、ゆっくり深呼吸できる空間。
その余白を支えているのが、この寝具とアメニティの質です。
4.細部に見える“おもてなしの思想”
アメニティの中でも、意外と印象に残るのが小物類です。
加湿機能付き空気清浄機、コーヒーメーカー、入浴剤、
そして折りたたみスリッパ。
どれも“あれば助かる”を越えて、“あると滞在が豊かになる”配置。
このあたりは、居抜き型では後から追加されることが多く、
設備との一体感が出にくい部分。
リゾート型では、最初から空間の一部として組み込まれているのが大きな違いです。
5.まとめ:小さな満足の積み重ねが“リゾート”をつくる
リゾート型アパホテルの魅力は、派手な設備よりも、
こうした小さな快適さの積み重ねにあります。
歯ブラシの手触り、バスアメニティの香り、
パジャマの肌触り──それらが無意識に“心の余裕”を生み出します。
都市型や居抜き型の合理性ももちろん魅力ですが、
「宿泊」を「体験」に変える力は、やはりリゾート型のアメニティに宿っています。
そして、リゾート型の魅力を完成させるのが、施設全体で味わう“設備”の充実です。

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